「リゾートバイトはやめとけ」と言われる理由を、求人13,861件と自分の記録で1つずつ確かめた
- 数字で確かめられる「やめとけ」は、半分くらい本当でした。 時給は求人票どおりでも、通勤を入れた拘束時間で割ると1,200円が706円になります
- 一方で外れているものもあります。「寮はだいたい相部屋」は違っていて、 寮タイプが分かる求人のうち完全個室は79%でした
- いちばん効くのは人間関係で、これはデータでは一切確かめられません。 求人票にも各社の紹介記事にも書かれていない、そして行ってみるまで分からない部分です
このページを作っている自分自身、行く前に「やめとけ」と調べていませんでした。 言われてから初めて、そこまで調べていなかったと気づいた側です。 なので、実際に行ってから分かったことを、そのまま並べます。
1.「時給が高く見えるだけ」── おおむね本当
掲載中の求人13,859件の時給の中央値は1,250円です。 コンビニや飲食のアルバイトと比べれば高い部類に入ります。
ただ、自分の場合は求人票の時給1,200円に対して、 寮を出てから帰るまでで割った実質は706円でした。通勤が片道70分あったためです。 24日働いて実働119.5時間、賃金143,400円。 計算自体は求人票どおりで、ごまかされたわけではありません。 時給の外側にある時間が、求人票には書かれていなかったということです。
2.「働ける時間が保証されない」── 本当。しかも全社が書いていない
求人13,861件を集めて分かったのは、時給は必ず書かれているのに、 働ける時間数はどこにも書かれていないということでした。 各社の求人ページを1,200件走査して、最低保証時間の記載は1件もありません。
自分の場合、35日の契約でシフトが入ったのは24日、実働120時間でした。 フルタイム8時間×週5=月160時間を想定していると、その75%です。 「思ったより稼げなかった」という話の多くは、たぶんここから来ています。
3.「交通費が出ない」── 会社と契約による。ただし確かめにくい
交通費の条件を求人票に書いているのは13,861件中1,384件(10.0%)だけでした。 金額の上限まで書いているのは885件で、その中央値は20,000円です。
自分の契約は「往復で上限30,000円、ただし契約期間を最後まで勤めた場合に支給」でした。 領収書を出せばその場でもらえる実費精算ではありません。 関東から沖縄まで片道21,020円かかっているので、途中で辞めたらその分は自腹でした。 遠い場所ほど先に払う金額が大きくなり、その分だけ辞めにくくなります。
4.「寮が相部屋できつい」── これは外れていることが多い
寮タイプが分かる求人12,212件のうち、 完全個室が9,596件(79%)、 相部屋が1,136件(9%)でした。 少なくとも「だいたい相部屋」ではありません。
ただし「個室」の中身は会社によって違います。部屋にトイレと風呂があるものと、 それらが共用のものが、どちらも「個室」と書かれています。 当サイトでは正規化した判定と一緒に、元の表記もそのまま出しています。
5.「短期のつもりが長期契約になる」── おおむね本当
最低勤務期間が読み取れた11,798件のうち、 3ヶ月以上を求めるものが6,017件(51%)で、 1ヶ月以内で働けるものは1,027件(9%)でした。 数のうえでは長期が主流です。
ただ「短期が無い」わけではありません。1ヶ月以内でも1,027件あります。 問題は、探し方を変えないとそこに辿り着けないことのほうだと思います。 「リゾートバイト 短期」で出てくるページの多くは、 期間を絞り込んだ結果ではなく短期の説明記事です。
6.「人間関係がきつい」── ここだけはデータで答えられない
これが一番大きいと思います。そして求人データからは何も言えません。 時給も寮も期間も数字で比べられますが、 誰と働くかは求人票に書かれていないし、書けるものでもありません。
自分が働いた場所での話です。
人がいいか悪いかによって、同じ働く時間が長く感じるか短く感じるかが、 めちゃくちゃ変わると思う。
辞めたいと思った瞬間もありました。職場で陰で誰かの悪口を言っていて、 自分がミスをしたときに、明らかにその空気になったときです。
本当に「あ、こいつら嫌いだわ」ってなる。はっきり真正面から来いよ、ってなる。
ただ、それで潰れるかというと、そうはなりませんでした。 短期で人が入れ替わる職場なので、そこに長く居続ける前提の力関係が生まれにくい。 言われても受け流せる程度に収まっています。 このあたりは職場によって違うはずなので、 「自分のところではこうだった」以上のことは書けません。
それから、これは自分の周りの話ですが、 途中で辞めた人・来なくなった人は見ていません。 把握していないだけかもしれないので、いなかったとは書けません。
やめたほうがいいのはどういう人か
実際に現場を見た上で、2つあると思いました。
- 職場の空気を悪くしそうな人。逃げ場のない狭い環境なので、 自分が原因で空気が悪くなると、そのまま生活まで巻き込まれます
- 居場所がリゾートバイトしかない人。これが一番大きいかもしれません
後者について補足します。 どこかのコミュニティに属した上で「ここに行ってみよう」と思って来るなら、 職場で嫌なことがあっても心の支えが別にあります。 でも逃げ場としてここに来ると、閉じた人間関係がそのまま全部になります。 寮も職場も同じ人たちで、帰る場所がない。 「メンタルが弱い人はやめとけ」という言い方をよく見ますが、 それだと抽象的すぎて自分が当てはまるか分かりません。 ここで言いたいのはそういうことではなく、 他に居場所があるかどうかだと思っています。
自分はもう一回やるか
やるかもしれません。次にやるなら冬で、温泉のところを選ぶと思います。
ここまで書いておいて「やる」と言うのは矛盾して見えるかもしれません。 でも、ここに挙げた不満は事前に分かっていれば避けられるか、 覚悟しておけば飲み込める範囲のものでした。 実質時給が下がるのは通勤時間の長い場所を選んだからで、次は通勤を先に聞きます。 働ける時間数も、聞けば答えてもらえます。
「やめとけ」が当てはまるかどうかは、たぶん行く前にどこまで確かめたかで変わります。 自分は確かめていませんでした。
行く前に聞いておくこと
- 1週間あたり何日、1日あたり何時間のシフトを想定しているか
- 最低保証時間の定めが契約にあるか
- 寮から職場まで実際に何分かかるか(徒歩なのかバスなのか、待ち時間も含めて)
- 交通費は実費精算か、上限つきか。支給の条件は何か、いつ払われるか
- 寮の「個室」に風呂とトイレが付いているか
- 同じ現場に何人くらい入るか(人が少ないほど、合わなかったときの逃げ場がない)
この6つは、どの求人票にも書かれていませんでした。聞けば答えてもらえます。
このページの限界
- 体験の部分は、1人が1か所で24日働いた記録です。 勤務地や職種が変われば、特に人間関係の話はまったく変わります
- 数字の部分は、各社が公開している求人ページを集計したものです。 書かれていない条件は集計できていません
- 特定の会社や勤務先を評価する意図はありません。 事実と、自分がどう感じたかを分けて書いています